節約にもなるからと気軽な気分で予約したカットモデル。
こんなドキドキする体験になるとは思いませんでした。
丁寧なカウンセリング
今回はアプリで美容室のカットモデルに予約をしてみました。
節約にもなるし、いつもの美容師さんとは違う方に切ってもらいたいという好奇心です。
「なりたいスタイルの画像があったら送ってください」
メッセージが来たので、検索してイメージの画像を送りました。
当日はドキドキしながら伺いました。
担当の方が、私のヘアーをチェックしてくださいます。
髪の生え方、前髪、普段のスタイリングについて等々。
丁寧に話を聞いてくれながら、イメージのスタイルを再現するにはどうしたらいいかを考えてくれました。
カットしている最中も、「前髪は横の髪とはっきり分かれていますが、なだらかにすることもできます。どうされますか」等と確認してくれて、安心してお任せすることができました。
カットモデルあるあるなの?
仕上がったあとには、スタイリストさんのチェックが入ります。
カットモデルなので、現役スタイリストさんの確認があるのです。
スタイリストさんは、わたしが送った画像とわたしのヘアースタイルを見比べて
「画像と違うじゃないか」
とひとことおっしゃいました。
カットしたのはわたしじゃないんだけど、わたしのこころがヒヤリとします。
「『これでいい』といったわたし、いけなかったのかな。」ドキドキが止まりません。
実は、カットが一通り終わり、スタイリストさんに見てもらう前にに「気になるところはありませんか?」と聞かれました。
わたしはその時「これでいいです」と答えたんです。
でも実は、ちょっと違和感も感じていて。
今思えば、送った画像と比べると重心が下にあるように感じたし、毛量もちょっと重たい気がしていたんだと思います。
でも、その違和感はとても小さく、言語化するには至りませんでした。
それよりも、ビフォーより軽やかになっていたことに満足してしまって、
「うん、これでいいです」と言ってしまったのです。
カットしてくださった美容師さんは、「お客様がこれでいいですって言ったんです」と返答。
うん、たしかに私はそう言ったし間違いじゃないです。
でも、スタイリストさんの「画像とは違う」も間違ってない。
この場を収めるにはどうしたらいいんだろうか。
わたしは何か言った方がいいのかしら。
わたしは内心動揺していました。
でもスタイリストさんは続けて、「お客様にそういう提案をして、それでこうなったならいいけど」と前置きしたうえで、「ここは重たいから、少し直して」と手直しの指示をされました。
これってカットモデル“あるある”なのかもしれないけど、わたしはもうドキドキでした。
意見の対立は避けたい
わたしも無料で施術してもらっているんだから、ちゃんと「違います」って言わなきゃいけなかったのかな。
言った方がよかったのかな――そんなことをグルグル考えてしまいました。
でも、カットしてくれた美容師さんのカウンセリングはとても丁寧だったんです。
私が気づかないところもきちんと確認してくれて、丁寧に仕上げてくれて。
カットも、上手でした。
それなのに「ここ、違うでしょ?」なんて、重箱の隅をつつくようなことは、言えなかった。
(…というか、言いたくなかった。)
最近こういう場面がちょこちょこあって、そのたびにドキドキしています。
「言わなくちゃダメだったのかな?」と思う瞬間。
若いころには、逆に空気も読まずにズバズバ言ってしまって、痛い目にもあいました。
だから、たぶん、今は言うことがちょっと怖いのかもしれません。
だって、意見を言ったら責任が生まれるじゃないですか。
それがまた、重たい。
…できれば、言いたくないなぁ。
――なんて心の中でモヤモヤしていたけど、カットした美容師さんは静かにお直しをしてくれて、最後はスタイリングまでしてくださいました。
スタイリング剤の香りは、我が家ではちょっと強めだったので帰ってからすぐに洗い流したけれど、髪型は家族に大好評。
夫も「かわいい」を連発してくれました。
ふだんから、あまり強く主張せず、意見の対立を避ける私にとっては少し刺激が強い体験だったけれど……
社会では普通のことなんでしょうね。
焦って変なことを言って混乱させてしまうより、今回は沈黙を選んでよかったのかもしれない。
そう思うことにしました。
でも、また同じような場面が来たとき、私はどうするんだろう。
その時の自分に、そっと期待しておこうと思います。
それでは また☆