一緒に働いている方が皆さん年上です。
50代前半から後半のせいか、介護やお金、健康のことが話題になります。
健康診断の再検査や体の不調。
両親が入居できる施設がなかなか見つからない。
老後のお金はいくら必要?
私はもっぱら相槌を打ってばかりです。
ネット上でもいろいろと見聞きしますが、やっぱり直接、体験談を聞くと臨場感が違います。
「そんなことがあるんだ。」
「そんな場合はどうしたらいいの?」
他人事だと思えない話ばかりで、考えさせられます。
そんなとき、一田さんを知りました。
「北欧暮らしの道具展」の動画に社長の佐藤さんと出演していました。
一田さんは「くらしのおへそ」企画・編集・執筆した方。
このムック本はかつてのわたしの愛読書でもありました。
「わたしより少しお姉さんの一田さんはどう思ってるんだろう?」
そんな思いで本を開きました。
驚いたのが、わたしが日常的に感じているもやもやを一田さんが書いてくれていたこと。
わたしは一田さんのようなキャリアを重ねているわけではないです。
ただのパート主婦ですし。
それでも、一田さんの文章の中に、たしかに「わたしも!」と思うところがあって。
ひどく救われたような気分になりました。
もやもやは言葉になると正体がわかるというか。
扱いやすくなります。
一田さんが「わたしもそうだったよ」と親しみやすく語りかけてくれる文章の中に、ヒントがたくさんありました。
一番印象的だったのが作家の小川糸さんのうちを訪れた時のことです。
森の中でコーヒーとクッキーをいただき、CDを聞いたのが忘れられないとのこと。
一田さんが糸さんに「どうやったら、ひとりで寂しくなく、豊かに過ごせますか?」問うと、ふたつ答えが返ってきたそうです。
ひとつは「人の目を気にしないこと」。
もひとつが「その時間に集中すること」。
わたしはその答えにハッとしました。
気になることがあると、ついついそのことで頭がいっぱいになってしまいます。
でも、目の前に起こっていないことや、解決できないことをいつまでも考えていても改善はしないのです。
糸さんの答えに、「やっぱりそうなんだ」と正解を得た気分になりました。
わかっていても、できないことが多いですが。
こころに留めておきたいな、と思いました。
悩みが解決しなくても幸せでいていいし、そうこうしているうちに悩みが悩みでなくなってしまうこともあるかもしれません。
やっぱり、本って面白い。
もっと読みたいな、と思いました。
それでは また☆